シェール革命をご存じですか?
今まで困難であったシェール層からの石油や天然ガスの採掘が可能になりました。
これは世界の既存の秩序を大きく変える大事件です。
古い堆積地層のある、ほとんどの大陸にはシェールガス資源が存在するのですが、
アメリカなどにしか、掘削、生産技術がありません。
これによって、アメリカは世界最大の産油国になったのです。
石油と天然ガスの輸入大国から輸出大国に変わるのです。アメリカの貿易収支は黒字に転換することでしょう。
また、安い資源があるわけですから、世界中に散った工場を戻して、メーカーとしての拠点としても復活し雇用も生まれます。
税収も上がるわけですから、財政も好転することが可能となりました。
もともと、先進国で唯一人口が増加している点、世界一の経済大国である点、世界一の軍事大国である上に、
このテクノロジーで資源大国になり、貿易赤字と財政赤字の双子の赤字が解消するのです。
なんとも羨ましいことです。
さて、日本はどうでしょうか?
人口減少に加え、昨年までの円高によりデフレは継続しています。
311以降の原発停止により、日本における天然ガスの価格は米国の7倍となり、原発停止のために足下を見られ、高い石油を買わされ続けています。
相変わらずの資源輸入大国です。
原発を停止している現在、電気代の上昇で大きな問題を抱えています。
来年から予定されている増税となると、電気代という第2の税金はすでに上昇しているわけですから、
パン屋やクリーニング店などでも大変なコストプッシュです。
海外へ進出したメーカーの拠点は、もはや国内に戻って来ないでしょう。
しかも、やっかいなことに、これから防衛費が上昇すると思われます。
自国から輸出するほどエネルギーが出るわけですから、米国は中東から撤退する傾向です。
一方、日本は中東に頼っている石油ルートを守らなくてはなりません。
米国に変わって、日本独自でシーレーン防衛が必要になるかもしれないのです。
米国にカネを払うのか、または、自前の軍を中東まで派遣できるように、法整備して対応するにせよ、予算は必要になります。
地政学が求められる時代になりました。
どこが石油ルートなのかといいますと以下の地図をご覧下さい。
いかがでしょうか?
非常に遠くから回りくどくエネルギーを運んでいるのがわかりますが、これを米国の力なくとも自前の軍で守らなくてはならなくなるのです。
中国が海洋進出を狙っている以上、南シナ海、東シナ海以外でも、日本との激突が予想されるポイントが出てきます。
日本に入ってくる石油ルートをはじめ、これから地政学的知識が必要になってきます。
また、複雑に変化する国際情勢をみる上で、非常に重要な学問としての地政学の見識が求められています。
ランドパワー中国が「海洋強国」をうたい、シーパワーである日本に海洋で相まみえる時代になりました。
シェールガス革命で天然ガス価格が暴落したロシアが、日本にすり寄ってきました。
シェールガスの、安価なLNGを増産できるというテクノロジーからLCC革命が相乗りして、鉄道の時代から飛行機の時代になりそうです。
安価な輸送コストになるとデフレはさらに継続する可能性があります。
国際情勢から目が離せない現代になりましたが、ここでも地政学が役に立つのです。
日本はここで大局観にたって、各国とのつきあいを決定していかなくてはなりません。
地政学とは、なにか?
今回、日本で唯一の地政学者・奥山真司が、地政学をわかりやすく解説する「奥山真司の地政学講座」全10回をつくりました。
実は地政学は戦前も研究する人がいたのですが、敗戦とともにGHQにより重要な書物、
危険な書物として焚書され、日本の地政学研究はそこで途絶えました。
さらに、戦後は軍事を研究しているのは防衛大学くらいですが、そこでも教える人はいません。
英国で地政学を学んだ奥山真司先生しかいないのです。
これは、その奥山真司先生初の地政学講座です。日本でこの地政学的思考をもった知識人を増やしたい、という想いから今回の開講に至りました。
これを学ぶことによって、この日本において、地政学の専門家に最も近づけるといえるのではないでしょうか?
何しろ他に教材がないのですから。
地政学を学ぶと