
~欧米人のように日本人が自分を売り込むメソッド~
私達日本人は往々にして、例えば、歴史認識などの問題になると、
「後生の歴史家に判断をゆだねる」ですとか、
「学者の共同の研究会を立ち上げる」という話になったりします。
が、まったく、無駄です。調査など二の次なのです。
そもそも、「歴史の真実」という単語は日本人の考えるそれと同じではありません。
歴史は政治の「道具」として使う概念なのです。
「真実」を語りあって解決する気がないという厄介な相手です。
お人好しとも言える我々日本人は、
この認識が決定的に欠けていたので、
これまでずっと負けて続けてきました。
「南京大虐殺」、「百人斬り」、「いわゆる"従軍慰安婦"問題」
全部ウソでした。結局、真実を追究して主張してもダメなのです。
本当はそんなことはないのに、
あたかも"それがあったかの如く"世界は動いています。
このような問題は、歴史家、学者に任せても解決しません。
政治家が腹を決め、「政治」主導で戦うしかないのです。
これから、そのポイントを3つ、お話したいと思います。
1:今や世界はプロパガンダ(宣伝戦争)だと理解する。
2:「真実(戦術)」より、「ウソ(戦略)」によって新しい現実を創っている。
3:"セルフプロパガンダ"を自らに仕掛けて現状を打開する。
1:今や世界はプロパガンダ(宣伝戦争)だと理解すること
これがプロパガンダ(宣伝戦)です。
アピール力による武器なき戦争、つまり、
周辺国民の頭に侵入して、
その認識を書き換えてしまう「戦争」なのです。
「これが戦争なんだ」という認識を持つと
すぐに納得できると思いますが、
要は、<なんでもアリ>なのです。
ルールは真実に基づくものではない。
日本人は柔道で戦おうとしても、
相手は目つぶしもありくらいの異種格闘技か
ルールなき喧嘩そのものという認識なのです。
ここにおいては、もはや「真実(戦術)」は関係ないので、
学者の研究領域というよりも、ほぼ「政治マター」です。
政治家が腹を決め、政治主導で戦うチームをつくり、
国家戦略で対抗するしかないのです。
日本人は証拠があるから大丈夫と思いがちですが、
例えば、その試合にはレフリーが複数いて、
しかも、買収し放題・・・と考えたら、如何ですか?
中国や韓国は証拠なし、論拠なしで戦いを挑んできているので
最後は「真実」を突き出せば日本は勝てる!
という考えはハッキリ言って甘いのです。
中国では、三戦と呼ばれている戦い方があり、
それには『世論戦』、『法律戦』、『心理戦』があります。
まさに彼らは現実を踏まえず<宣伝戦>を戦うのです。
彼らはプロパガンダに対して、惜しげも無く「カネ」も「人」もかけます。
「戦争」なのでそれも当然で、どんどん予算をかけます。
日本には、国家宣伝省、国家広報省はありません。
広報に予算がついていない点で甘く見ているのです。
よく考えてみて下さい。
たとえ、<ブラフ>や<ハッタリ>であっても、
それで「現実」が本当に変わってしまうのであれば、
武器買うよりも、戦死者の補償をするよりも安いものです。
要するに、「プロパカンダ」は効くのです。
日本国内でも最近ようやく、
「日本はプロパガンダ(宣伝戦)に弱い」
そういう新聞記事などが増えてきました。
「アメ通」では、国際政治、国際関係論の専門家である、
奥山真司が主筆に変わって以来、
『リアリズム(リアリスト)』
『地政学』
そして、『プロパガンダ』
を日本の三大課題としてあげてきました。
とはいえ、これまで、この『プロパガンダ』について
あまり突っ込んだ話をしてこなかったのは、
その前提となる『戦略の階層』の理解の周知が先、
考えたからです。
『戦略の階層』という概念においては、
「戦略は戦術よりも上だ」
というポイントがあります。
「戦術は現実に基づく」もので、
「戦略は<イメージ>や未来のことであり、<ウソ>でもある」のです。
我々日本人は「真実」とか、「真理」、「真心」が大事だ
と長年教えられ、それを信じて来ました。
しかし、「戦略」を考える上での仮定、
仮定ですから、つまり<ウソ>です。そして、
これが最終的には「現実」すらひっくり返して、
更に新たな「現実」を創る、そういう非常に重要なイメージなのです。
そして、世界はウソに満ちていますが・・・
2,「真実(戦術)」より、「ウソ(戦略)」によって新しい「現実」を創っている
ここをしっかりと理解できないと「プロパガンダ」はわかりません。
中国や韓国のように、
拠り所となる「真実の歴史」がお粗末では、
ハナから「ウソ」を使って攻めていくより他ありません。
国際社会で成り上がるために、「真実(戦術)」よりも、
さらにパワフルな「ウソ(戦略)」を選択したに過ぎないのです。
「真実」は大事です。しかし、外の世界では、
最初から「ウソ」前提で生きている人たちもいる。
このことを冷静に知ることが必要ではないでしょうか?
もっとも、これは中国や韓国だけに限った話ではありません。
国際政治アナリストの伊藤貫氏が、
イギリスの学者、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド
(ケンブリッジとハーバードで20年以上教えた)
のアメリカ人評を著書で紹介しています。
「私はアメリカ人を三つに分けて考える」
「最初の三分の一は、まともで正直で優秀な人たち。
つぎの三分の一は善良であるけれど、それほど優秀でない人たち。
残りの三分の一のアメリカ人は、クリミナル(犯罪者)だ」
(ホワイトヘッド)
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実際のところ、アメリカ人は三人に一人ぐらいの割合で、
ケロッとしてウソをつきます。だからしょっちゅう裁判をやっている。
米国内の犯罪率は、先進産業諸国の中で最高です。
イギリス人の平均犯罪率は、アメリカ人の五分の一です。
(伊藤貫)
アメリカでは、そして世界では、正直者が常に勝つわけではないのです。
「真実」を伝える国は尊敬されるとは思いますが、
世界の覇権を握ることができるか、ということは全く別問題なのです。
世界では、真実=実力ではなく、
ウソの力、ハッタリ力=実力と考える国に満ちています。
北朝鮮、韓国とハッタリだけの国
中国、アメリカとハッタリを組み合わせている国
に日本は囲まれています
道徳と戦略は区別しないといけません。
日本との戦争に勝利したアメリカは、その後も引き続き、
武器なき戦い=「プロパガンダ」で日本をずっと追い込んでいます。
戦勝国:アメリカ側の<ウソ>にまんまと嵌ってしまい、
日本側は、そもそも、本来戦うべき「レイヤー(=「戦略の階層」)」
の違いを意識していません。これでは対抗などできるわけもありません。
日本人は真面目だと世界で尊敬されていますが、
例えば、いわゆる"従軍慰安婦"問題などは、
今ではすっかり「ジェンダー」の問題とされてしまっており、
現状では、非常に危険な状況です。
いわゆる「靖国」の問題も、ほぼ「プロパガンダ」となっています。
中国や韓国は、これを「外交カード」として使って、
日本を世論戦で封じ込めたいのです。
もはや「真実」を追求するという真摯で真っ当な事柄ですら、
禁じられた世界になってしまっています。
先進国では人権問題などもあり、
実際の戦闘行為を伴う戦争によって、
戦死者をこれまでのように出せなくなりました。
もはや大規模な死者の出る戦争は行いづらい時代になり、
「プロパガンダ」に大きなウェイトを掛けています。
武器を使わなくとも、カネを巻き上げ、
人々の脳の中のイメージを書き換えてしまえば、
やがて、これが「現実」として、
本当の歴史として書き変えられていくのです。
相手側の認識、いうなれば、その脳を書き換えてしまえば、
相手の動きを「コントロール」することができます。
多国間での国際政治では、各国は常にイメージ戦で
相手をコントロールしようと仕掛けて来ます。