
ではそもそもなぜこのようなことが起こるのでしょうか?
もちろん多くの歴史家たちは
似たような循環が起こっていることを指摘してきたわけですが、
なぜこのような循環が起こるのか、その原因までをくわしく説明した点で、
本書は画期的なのかもしれません。
その理由は、ハウとストラウスによれば、
人間の人生の四段階に関係しているといいます。そしてその四段階とは、
幼年期→成人期→中年期→老年期
というものであり、それぞれの段階が、
やはりおよそ20年ごとに区切られている、というわけです。
このような人間の人生のステージの移り変わりというのは、
もちろん古代からすでに様々な文献の中で触れられておりますし、
普通に人間観察をしていれば、
当然の帰結として出てくる分析といえるでしょう。
人間がオギャーと生まれ、戸惑いながらも成人し、
社会的に責任を負うようになって、最後に死を迎える、というのは、
どの時代・どの文化にも普遍的に当てはまるものだからです。
ところがこの四段階は、そのまま自然の中の
季節のめぐりあわせにも対応するのでは?
というのがハウとストラウスの目の付け所。
つまり人間の人生のステージは、
自然の中の季節と対応するようにできており、
幼年期→成人期→中年期→老年期という移り変わりが、そのまま
春→夏→秋→冬
という一年の中での「四季」になるというのです。
われわれ個人の人生の中には、
幼年期→成人期→中年期→老年期という春夏秋冬はあるわけですが、
たとえばこれを書いている私は、「世代」としては「遊牧民」に属しており、
人生の春夏秋冬を経験しつつも、生まれてから死んでいくまで
「遊牧民」というくくりから抜け出すことができません。
あなたの世代がどのようなものであれ、
その世代も必ず「春夏秋冬」という四つのステージを、
その世代なりの特徴のある形で経験していく、ということなのです。
ところがここで最大の問題が出てきます。
「世代も四タイプあり、自然には一年の間に四季があり、
そして人生にも四季がある」というのはわかったとして、
ではそもそもこの「世代」の特徴を決定づけるものは一体何なのか、
そもそもなぜ「世代」はこんなに違うのか、
という疑問が出てくるからです。
その答えとして、原著者のハウとストラウスは、
ここでも「四季」を指摘します。つまり、時の流れにも四季がある、
というのです。
確認します。ここまで、世代、自然、そして人生にも、
すべて4タイプあることを説明してきました。
ここにハウとストラウスは時代(社会の雰囲気)にも
4タイプの四季があるとして、以下のような分類をしております。
春の時代:第一の節目・高揚(High)
夏の時代:第二の節目・覚醒(Awakening)
秋の時代:第三の節目・分解(Unraveling)
冬の時代:第四の節目・危機(Crisis)