日本の国益を考える
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米国一極支配構造とは

このような文章がNYタイムズとワシントン・ポスト紙に掲載されているにも係わらず、日本からは不快の念を発することもなかった。知らないふりをしたのか、それとも知らなかったのか。米国の一極支配戦略。

▼米国の世界覇権のグランド・ストラテジー(1992年2月28日)
ペンタゴン機密文書「1994〜99年のための国防プランガイダンス」
(DGP:Defense Planning Guidance for the Fiscal years 1994〜1999)
 Wolfowitz Doctrine
 http://en.wikipedia.org/wiki/Wolfowitz_Doctrine

 

(1)ソ連崩壊後の国際社会において、アメリカに対抗できる能力をもつ大国が出現することを許さない。西欧、東欧、中近東、旧ソ連圏、東アジア、南西アジアの諸地域において、アメリカ以外の国がこれらの地域の覇権を握る事態を阻止する。

(2)アメリカだけがグローバル・パワーとしての地位を維持し、優越した軍事力を独占する。アメリカだけが新しい国際秩序を形成し、維持する。そして、この新しい国際秩序のもとで、他の諸国がそれぞれの"正当な利益"であるか、ということを定義する権限を持つのは、アメリカのみである。

(3)他の先進産業諸国がアメリカに挑戦したり、地域的なリーダーシップを執ろうとしたりする事態を防ぐため、アメリカは他の諸国の利益に対して"必要な配慮"をする。アメリカが、国際秩序にとって"害"とみなされる事態を修正する責任を引き受ける。何が国際秩序にとって"害"とみなされる事態であるか、ということを決めるのはアメリカ政府のみであり、"そのような事態を、いつ選択的に修正するか"ということを決めるのも、アメリカ政府のみである。

(4)アメリカに対抗しようとする潜在的な競争国が、グローバルな役割、もしくは地域的な役割を果すことを阻止するための(軍事的・経済的・外交的な)メカニズムを構築し、維持していく。

(5)ロシアならびに旧ソ連邦の武装解除を進める。これら諸国の国防産業を民生用に転換させる。ロシアの所有する核兵器を、急速に減少させる。ロシアの先端軍事技術が他国に譲渡されることを許さない。ロシアが、東欧地域において覇権的な地位を回復することを阻止する。

(6)ヨーロッパ安全保障の基盤をNATOとする。NATOは、ヨーロッパ地域においてもアメリカの影響力と支配力を維持するためのメカニズムである。ヨーロッパ諸国が、ヨーロッパだけで独自の安全保障システムを構築することを許さない。

(7)アメリカのアジア同盟国--特に日本--がより大きな地域的役割を担うことは、潜在的にこの地域を不安的家させる。したがってアメリカは、太平洋沿岸地域において優越した軍事力を維持する。アメリカは、この地域に覇権国が出現することを許さない。


友好国を裏切ってきた米国

米国は国論が変わればすぐ変わる国だ。もっとも信頼できる国は米国であるが、事実を知っておく必要がある。政府高官の米国の属国、衛星国発言にあるように、現在では防衛ラインの前線基地としての役割である。日本が真の同盟を組むとするなら何をすべきか考えなくてならない。

・イラン・イラク戦争の時はイランが戦争に勝って影響力が拡大することを恐れた米国はサダムフセインに(イラク)に軍事的な支援をした。しかし、支援した米国は干渉しないと思ったフセインはその後クウェートに侵攻したが、湾岸戦争、イラク戦争と2度の戦争で米国に打ちのめされ、最後は米軍に捕まり処刑された。

・ベトナム戦争で南ベトナムを支援していたが、出口がみえなくなり結局あっさり撤退した。米国支援の南ベトナムからは大量の難民があふれ出た。

・日中戦争では、蒋介石を応援しつつも途中から毛沢東支援になった。ソ連打倒のためには台湾(中華民国)を切り捨て中華人民共和国と国交を結んだ。