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地政学を英国で学んだ
しばらくお待ち下さい。
2012年04月08日 日本自立は簡単ですか?!

「アメ通」読者の皆様、おはようございます。
絶好のお花見日和の週末になりましたね。(少し寒いですが...)

さて、すっかり恒例?!になりつつある「週末管理人号」(笑)ですが、
本日も、ぜひ皆様にオススメしたい本がありまして配信させて頂きました。

唐突ですが、管理人は「地政学」「リアリズム」「プロパガンダ」、
この3つが、これから日本がサバイブしていく上での、
キーコンセプトになるだろう・・・と常々想っております。

故片岡鉄哉先生のご意志を継ぐ形で、
新たにこの「アメ通」を再開したわけですが、
新たにお迎えしたおくやまさんとは、
それ以前より、ずっとこのことを議論していました。

曰く、
「You&I(=「友愛」※管理人注(笑))ではなくて、
 Me&Mineだろう...国際政治は...」
といった話は、某元首相の言動を観るまでもなく、いつもしておりました。
そのような議論を具体的に表現しているのが、
現在の「アメ通」とも言えるわけですが、
そんな我々の「初心」を想い出せてくれる書籍が最近発売されました。

その本とは・・・

▼『プーチン 最後の聖戦
 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?』
 北野 幸伯 http://goo.gl/WFk3H

です。

先日、この本の著者である北野さんの超人気メルマガ
▼「ロシア政治経済ジャーナル」
http://www.mag2.com/m/0000012950.html
にて「アメ通」を大きくご紹介頂いたりもしましたが、
「アメ通」読者の皆さんの多くは既にご存知だろうと思います。

管理人も北野さんのメルマガは長年愛読しておりますが、
もしかしたら、まだ北野さんのご著書まではお読みになってない方も
いらっしゃるかもしれません。それはとても勿体無いです。
管理人はこれまで北野さんが出版されているご著書3冊は
全て読ませて頂いておりますが、どれも抜群の面白さで、
たくさんのことを学ばせて頂きました。

そんな北野さんの待望の新刊が『プーチン 最後の聖戦』です。

管理人も速攻で拝読致しましたが、もう...期待通りの内容で、
あっという間に読み切ってしまいました。

管理人があれこれいうよりも、
この本を読んで頂くのが手っ取り早いのですが
先日配信された北野さんのメルマガよりご本人の印象的なお言葉がありました。

(引用はじめ)

▼2012/04/07【ロシア政治経済ジャーナル】
★日本自立は簡単ですか?!
http://archive.mag2.com/0000012950/20120407060437000.html

私は何がいいたかったのか?

資源と食糧に恵まれた核保有大国ロシア。
そんなロシアですら、アメリカからの自立は容易ではなかった。
そう、「日本が自立する」のだって、実をいうと簡単ではない。

「なにがなんでも核兵器をもてば、一件落着」なんて単純な話ではない。

私が、「夢は日本が、アメリカ幕府の天領でもなく、
中国の小日本省でもない、『自立国家』になることです」
というとき、それは、
きたるべき「困難な道」を念頭におきながらいっているのです。

果たして日本自立は可能なのでしょうか?

私は可能だと思います。

どうやって?

その第1歩は、
実際にアメリカからの自立を達成した男
の方法を研究してみることです。

(引用おわり)

今回の北野さんの新著は、プーチンという稀代の「リアリスト」が、
アメリカの軛から外れて自らの道を歩むまでの大きなストーリー、
とも言える内容になっています。

そして、そのプーチンの戦略の基底に流れているのは・・・
「地政学」「リアリズム」「プロパガンダ」という戦略ツールの
徹底的な活用です。

そういうことが、たとえ「小中学生が読んでも」、
嫌でもスンナリ頭に入ってくるのが、『プーチン 最後の聖戦』です。

・・・ここで賢明なる「アメ通」読者の皆さまに、
新たな視点を提示しようと思う。・・・
※すいません・・・おくやまさんのセリフをパクりました(笑)

もしかしたら、毎週これだけの内容を読み続けていらっしゃる
「アメ通」読者の皆様にとっては、
「たぶん、この本の内容ってたぶんもう知ってると思う・・・」
と感じられる方もいらっしゃると思います。

そのような方は、もう大丈夫だと思います。
どこぞの某元首相のような「お花畑」を突き進む(笑)
ようなことはゆめゆめないだろうと思います。

ですが、一般日本人の大多数は、
「アメ通」でおくやまさんが展開されている議論、また、
先日来ご紹介している、伊藤貫さんの主張、そして、
今回、ご紹介している北野さんの新著のような内容を知りません。

ですので、ぜひ「アメ通」読者の皆さまの周りのお友達、
国際政治や世界の在様に興味があるような方々に、
ぜひとも、今回の北野さんの新著をオススメしてみて下さい。

いみじくも、北野さんはこの本の中で、

「私は、みなさんに『日本は覚醒しなければならないときが来たのだ』
 と気づいてほしくてこの本を書きました。」

とあります。

管理人も、まさしくそう想います。

読者の皆さまも同様な感覚を抱いているのではないでしょうか?
ぜひ、今回の北野さんの新著

▼『プーチン 最後の聖戦
 ロシア最強リーダーが企むアメリカ崩壊シナリオとは?』
 北野 幸伯 http://goo.gl/WFk3H

お読みください。

(「アメ通」管理人)

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「戦略の階層」を解説するCD

戦略を語れない人生は奴隷だ

技術を制するのは高度な技術ではない。より上流階層からルール決めには対抗できない。
今こそ日本人は「戦略の階層」を学び、その全体像を理解しなければならない。

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このサイトはリアリズムについて学ぶ人を増やすためのサイトです。

さて、早速ですが、・ネオコンをはじめとする勢力が狙ってきた米国の世界一極覇権支配は、長くは続かない。・中国が膨張し、アジアの覇権をねらい、世界は多極構造になる。 90年代から上記のように予想し、米国内でも論争してきたのがリアリスト学派です。

リアリスト学派は、国家のパワー(軍事力、政治力、人口規模、経済力等)がもっとも大事な要素と考え、

正義やイデオロギー、理念は関係ない。国際関係はパワーで決まり、パワーを予測し戦略を立てよう

と考える学派で、19世紀の英国の行ったバランス・オブ・パワーを活用した大戦略を信条とします。

ところが「リアリスト」を自認する日本の親米保守派は、
「経済中心主義」で「安保無料(だだ)乗り」をし続けていますが、
実は、彼らは、以下の2点で決定的、かつ、致命的な誤りを犯していたのです。
そして、そうした日本の政策は、冷酷な米国のリアリストから、
単なる「バンドワゴニング」に過ぎない、と足元を見透かされているのです。

その2点とは、

(1)日本はアングロサクソン(米英)についていれば大丈夫。

(2)米国は「民主制度」と「法治」、「人権」を重んずる日本を信頼し、
   一党独裁の共産主義中国を嫌っている。

ということです。

まず、(1)については、
日英同盟時も上手くいった。だから、これからも米国についてゆけば大丈夫!
万事問題ないというものです。

しかし、我が日本が戦後60年間、幸いにして戦争に巻き込まれなかったのは、
ほとんど偶然の産物であったということは、強く認識しておく必要があります。

米国は国益に係わることならば、いとも簡単に「友達」を切り捨て、裏切る国である。
国論が変われば友好国をあっさり切り捨ててきたことは、これまでの歴史の事実が証明しています。

・日中戦争では、蒋介石を応援しつつも、途中から毛沢東支援にまわった。

・ソ連打倒のためには台湾(中華民国)を切り捨て、中華人民共和国と国交を結んだ。

・ベトナム戦争では出口がみえなくなり、結局南ベトナム支援からあっさり撤退した。

・米国が支援していた南ベトナムは崩壊し、大量の難民があふれ出た。

・イラン・イラク戦争の時、イランが戦争に勝って影響力が拡大することを恐れた米国は、
 サダムフセインに(イラク)に軍事的な支援をした。
 しかし、支援した米国は干渉してこないと思ったフセインは、その後クウェートに侵攻し、
 湾岸戦争、イラク侵攻と2度の戦争で米国に打ちのめされ、最後は米軍に捕まり処刑された。

如何でしょうか?

これでもまだあなたは、アメリカはずっと「友達」でいてくれる!

と思えますか?

次に、(2)についてですが、
欧米メディアなどの報道によれば、米国内における中国の工作員の数は激増しています。
更には、人民解放軍には「政治工作条例」なるものまであります。
彼らは世論戦、心理戦、法律戦からなる「三戦」の任務を与えられ、
まさに今、中国は国策として、米国内で「世論戦」を仕掛けている、というのが冷酷な事実です。

正義や真実でなく、ウソでも現実をつくれると考える中国の
カネも人員もかけたまさに「人海戦術」的な、この国家戦略が功を奏し、
すでに米国世論では「尖閣は日本が強奪した島だ」ということに傾き始めている・・・
この危険な状況を皆さんはご存知でしょうか?

-*- -*-

例えば、韓国との従軍慰安婦問題をみるまでもなく、
日本国内で、いわゆる「保守派」といわれる人達が、
どれだけ「真実」を主張しても、
同じ日本人であるはずの国内左翼勢力がこの外患に呼応するという、
典型的なパターンに陥っている事例は、枚挙に暇がありません。

白州次郎は「日本をプリンシプルのない国」と言いました。
しかし、残念ながら、この分析は現在の日本にも今だに当てはまっているのです。

これらの冷酷な事実を踏まえ、
本サイトで皆さんとともに真剣に考えていきたいのは、以下の2点です。

・日本はいかにして「パワー」を獲得すればいいのか?

・どんな国家像を描き、グランド・ストラテジーを立てればよいのか?

この二つの質問を念頭に据えて、米国のリアリスト思考を学び、
日本におけるリアリスト思考を広げ、リアリスト学派をつくっていく。

これが、このサイト、www.realist.jpの目的です。
あなたも是非議論に加わって下さい。



リアリスト思考を最初に日本にもたらした、
シカゴ学派、元フーバー研究所上席研究員、故・片岡鉄哉先生に捧ぐ

日本がこのままの状態でいけば、
少なくとも十年以内に、二流、三流の地位まで確実に堕ちていくことになる。
現在の日本の状況を冷静に見れば、
どう考えてもそういう結論しか出てこないのだ。
しかし、日本はそのまま堕ちっぱなしというわけではない。

何年後になるかわからないが、日本はしぶとく復活するはずである。
国家というのはいつまでも堕ちっぱなしということはなく、
反省して自覚した国民が生まれ、それが国を復興することになるからである。

そのときに、決定的に必要となつてくるのが「理想」である。

地政学の祖であるマッキンダーは、
「人類を導くことができるのは、ただ理想の持つ魅力だけだ」
と言っている。

しかし彼は、同時に現実を冷静に見る目を
忘れてはならないことを鋭く警告している。
それが地理と歴史を冷静に分析した、
地政学という学問が与えてくれる視点なのである。
彼が一九一九年に発表した『デモクラシーの理想と現実』
という本の題名は、このような理想と現実のバランスの大切さを訴えている。

世界はこれから「カオス化」していく。
これはつまり、世界はこれからますます複雑化した
先の見えない場になるということである。

そして日本は、「カオス化」された状況の中で
自立を目指さなければならないし、
むしろ自立せざるを得ない状況に追い込まれることになるかもしれない。
そして、その中で世界に伍していくためには、
日本人は何よりもまず、リアリズムの思考法を身につけなければならない。

日本人は自分で責任を持って戦略を考えるという思考を捨ててしまい、
安易に平和的な解決だけを求めるという体質が染みついてしまった。
たとえば、外交における戦略も「善か悪か」で判断するため、
善を探そうとするあまり、次の一手がどうしても遅くなる。

しかも、日本が「善かれ」と思って世界に主張したことは、
まずもって善として見られていない。
他国はリアリズムの視点で「日本が何を狙っているのか」
と冷酷に見ているのだ。
だからこそ、わが国も外交戦略を「善悪」ではなく、
「強弱」で見るように訓練しなければならない。
「強弱」とは、現在わが国にとって、
この政策は他国と比べて立場を強めてくれるのか
弱めるものかという冷静な判断である。

弱いのであれば、より強い政策を打ち出さなければならないし、
強いものであれば、政策をより国益に近づけなければならない。
こうしたリアリズムの思考を身につけることは、
むしろ「国際的なマナー」なのである。